前回アクティブラーニングの話をしたところ、大変盛況な様子でありがたいと思います。今後も少しずつお伝えしていきたいと思います。
今回は定期試験の話です。最近の生徒は、ここまで述べてきたように2つのタイプに分かれるようです。一つは、従来と変わらず①コツコツやっていく生徒。もう一つは、いかに苦労をしないで、②やり過ごそうというタイプの生徒です。もちろん私は①のタイプをお勧めしますし、そういう生徒が社会で活躍できると考えています。
ところが、残念なのは②の生徒が増えている傾向があります。大学全入時代を迎え、親御さんの中でもさほど勉強しなくても大学へいけるんじゃないか。しいてはさほどお金をかけなくても大学へいけるんじゃないだろうかという傾向があり、それを子供たちが影響をうけるという形がほとんどです。
逆に言えば、①のタイプを推している親御さんであれば、お子さんのほうはまず①のタイプになるともいえますね。
さて、この②タイプを増やしている原因は、親御さんの影響、強いては社会の影響といえますが、それを助長してしまう学校側の対応にも問題があるのではないでしょうか。
たとえば、先日お伝えした『考えない大学生』を勉強させるために、大学で百分率の授業などを行うとかは、その一つといえるでしょう。
もう一つ、その大きな後押しをしてしまっているのが、各学校で行われている定期試験にあるようです。 定期試験とは、前回の試験との間に学んだことのチェックという意味合いがあるはずです。ところが、その役割をなしていない状況がありました。
②タイプの生徒に定期試験の範囲をきいて勉強しようというと
『このページからこのページの間の問題から、全く同じ問題がでるので、それができればいいです』
『この授業プリントの問題からしか出題されません』
『この*マークのついている問題からほとんどでるので、そこをやっておけばいいです』
お気づきでしょうか。学校の側がすでに生徒に試験の答えを与えているようなものです。ですから、生徒は答を暗記してきてくださいとの意図が見えています。つまりは、学校側で②の生徒をやる気にしようというどころか、その生徒の身になって?、定期試験の答えを教えてあげている状況なのです。
これで、生徒が勉強に目覚めることなんてないでしょう。むしろ、
『試験があっても前もって何かの答えがもらえるはずだ』
とか
『もし何らかのそんなに勉強しなくてもできる必殺技みたいのがあるはずだから、それを塾とかで教えてもらおう』
とかいいだすわけです。
そうすると、塾の授業で「先生もっと簡単にできる方法ってないですか」とか言い出すわけです。なんとも・・・
私たちとしては、②タイプの生徒はその言動ですぐわかるので、その勉強の仕方ではいけないということを言い続けているのですが、なかなか心に届きません。ある意味私たちは、学校やご家庭の②タイプの学習に対する意識と戦わないとならないといえます。
もちろんすべての生徒がそうではありません。ただ②の生徒が徐々にですが着実に増えてきているのです。そこにきてきちんとしたシラバスを持たないで『アクティブラーニング』とかいったことで勉強させると、自由を勘違いしてより悪くなる傾向もあり得るのです
楽を覚えた子供たちに、きちんとした勉強の習慣を培わせるのはかなりの時間がかかります。小中学生のころからきちんとした勉強スタイルを身につけさせていきたいですね、
次回は、ほんとうのアクティブラーニングを行わせていくにはという観点からお話ししたいと思います。