【63】某私立中学の理科

前回に引き続きその学校の理科のカリキュラムについて考えます。

公立の中学では、一分野で物理・化学、二分野で生物・地学があり、それを三年かけて行うので、一年間で3分の一を終わらせる感じです。

それに対して某私立中学では、その6年間というスパンを活かして、大学受験を見据えた勉強を始めていきます。その最初がなんと、『地学基礎』でした。

これもまた、高校の地学基礎のテキストを渡してはいますが、それを使用することはなく、プリントで先生の独自の視点で授業が展開していきます。しかもその内容が、いきなり大学受験レベルのもので、定期試験もセンター試験に出題されてもおかしくないようなものをつかっていました。

いやーこれもまた、驚きのカリキュラムですよね。それまで小学生だった生徒に、これから中学の内容と思いきや、すでに高校の入試レベルをぶつけてきているとは・・・。

最初に地学といったところはあとで問題とするとして、まあ二分野の地学の内容を勉強するといったイメージならわかります。自信の仕組みや岩石の種類などを学んでいくのならわかるのですが、プレートテクトニクスやホットスポットなど、地学特有のっ言葉を意味も分からず教え込まれる生徒をみていると、本当にかわいそうになってきますね。

さらに理科の最初の一年で地学基礎だけ学ぶこと、これもまた大きな間違いのように思います。

中学の理科ってどんなものなのだろうと、それまで一生懸命先取りして、イオンとかまで学んできた、ほんと勉強意欲のたくましい子供たちに向けて、大学入試であまり使用しない地学基礎から勉強させるとは・・・。あきれてしまいます。

前回の社会と理科と考えてきましたが、ほんと中学入試を一生懸命勉強してきた生徒を生かすも殺すも学校次第だなって感じですよね。

その生徒は、ほんとよく勉強して中学を合格したと思います。ちょっとした高校入試の歴史の問題にも、きちんと答えられ、年代や文化などもよく覚えていました。あとはその知識を関連付けさせて、大きな知識のネットワークを作ってあげることができたらよかったのですけどね。

次回は、それなら理想とする6年間のカリキュラムはどんなものなのか、私なりに答えてみたいと思います。