【9】 考えない大学生・・・成長編

 前回から、あまり勉強せず、我慢して勉強することもなく、大学まで到達してしまった大学生の話をしました。

 もちろん、すべての大学生がそうだというわけではありません。しかし、最近は我慢して勉強することから逃げてしまう子供たちが多いということです。楽な道はたくさんありますが、その先には何が待っているかを考えてほしいと思いながら書き込んでいます。そんな大学生になってほしくないので、私たちの塾では自立学習型の授業を展開しているわけです

 さて、大学に入った『考えない大学生』はその後、危機感を覚え、勉強をするときがくるでしょうか・・・残念ながらそれはありません。むしろもっとずるがしこくなります。また正規に入ってきた生徒の足を引っ張ってしまう事さえあるのです。目覚めて勉強するようになったら、それこそ映画になることでしょう。そのくらい一度下ってしまった道を上るのはかなり難しいのです。

 さてここで注目したいのは大学の授業のメインとなる「講義」です。一年間ずっと出席して試験をパスすればいいのですが、出席といっても、小中高のように先生が点呼をとって出席をとることはあまりありません。またあったとしても‘代返’などでごまかすこともできるでしょう。つまり、毎回授業に出席しないどころか、ほとんど出席しないこともあります。

 特に初年度は教養を学びますが、その多くの授業は一時限目にたいていあるので、あさ早く起きなくてはならないのですが、朝は『いろいろな理由』で眠いわけです。できるなら出席しないで単位を取りたいわけです。

 また「語学」は大学入試までのものと目的がかわり、将来研究する際に、いろいろな文献を読む必要があるので、そのために勉強します。文法や熟語を学ぶより、長文を訳することが中心となります。ですから、長文の訳文を手に入れればなんとかなります。なぜかは、次にお話しします。

 授業に出席しないと試験の時に困るでしょう・・・

 確かにご両親やこのブログを読んでおられる方はそう思うでしょう。ところがそこが彼らの長けているところです

 大学に入って最初にやることは、まじめに授業に参加してノートをきちんと取る生徒と友達になることです。そして、レポートの提出などがあれば、その友達のノートをコピーさせてもらって、レポートを作ります。また試験においては、その縮小コピーを持ち込みます。和訳さえ手に入れば点数が取れる試験ならなおさらです。それはいわゆるカンニングというやつです。

 さてカンニングなんてとんでもないと思われることでしょう。ところが意外と普通に行われています。現に私が学生時代、図書館で勉強していると、ほかの生徒が何人か集まって、いかに小さくコピーをするか話していたのをききました。また残念ながら同じ語学のクラスで、試験中にカンニングが発覚した生徒もいました。カンニングは見つかれば退学・・・というのはあくまで脅迫的なもので、退学にはたいていなりません。単位がもらえないくらいです。ましてや、やっと生徒数を確保した大学側としては、退学にしたくないのです

 授業にはほとんど出席せず、試験の時だけ出席して、友達のコピーで単位を取る・・・このような生徒が実際にいます。実際何をして大学生活を送っているのでしょうか。多くはバイト、サークルです。大学は、出会いの場、青春を謳歌せずしてどうする!といった声が聞こえてきそうですね。
 『生徒の自主性を重んじた大学のカリキュラム』

 のはずが・・・

 『生徒が自由に遊べる大学のカリキュラム』

 になってしまうわけです。

 このブログを読んでおられる大学生を持つ親御さんは、ぜひ確認をしていただきたい。

 

 「お子さんたちは大学にきちんといっていますか?授業に参加して勉強していますか?家で受験勉強をしていたころと同じくらい勉強していますか?」

 これらの質問が問題なく肯定であることを願いたいと切に思います。

 さてそんな彼らは、結局卒業単位を取得することはできるのでしょうか?大学での単位の取り方に、次回は注目してみたいと思います。

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