この一連の記事の最初のほうでもお話ししましたが、推薦入試に合格することが本人にとってプラスになるとは限りません。むしろ気を抜くとマイナスになることになることを忘れないでほしいと思います。
推薦で合格した方にとっては、喜びもひとしおのことと思います。自分は選ばれた存在で、大学入試まであくせくして受験勉強などしなくてもよくなり、のこりの学生生活を謳歌しようと思っておられるかもしれません。
確かに、そう考えるのも間違いではないのですが、その先には何があるのでしょうか?
大学入学後は、一般入試の生徒と一緒に授業を受けることになります。一般入試で入学の生徒は、あと数か月を、寝る間を惜しんで勉強してきた人たちです。果たして、同じスタートラインに立てているでしょうか?
そこには大きな差が生じてしまっていることでしょう。まさに「アリとキリギリス」状態です。季節は冬ですが、まさに『冬を謳歌するキリギリス』。推薦合格の恩恵を十分満喫した結果、将来に大きな影を落としてしまうわけです。
そうならないためにも、しっかり勉強しなくてはなりません。とはいえ、入試といったしっかりた目標がある「アリ」の立場の一般入試の生徒とはちがい、目標が達成されてしまっている「キリギリス」の立場の人にとっては、なかなかモチベーションがあがらないなかで勉強しなくてはならないので、なかなか難しいものとなります。推薦で合格しなかった方が勉強はしやすかったし、この数か月の学力のアップも期待できたことでしょう。ここでかなり自分に厳しくしていかないことを忘れてはなりません。
もちろん推薦入学が問題とはいいませんが、合格から入学までの時期をどのように過ごすかは大事なことといえます。
一方、一般入試を受ける予定の人たちは、上記のことを考えると、推薦で合格しているメンバーに嫉妬する必要は全くありません。むしろ、皆さんのほうが今後の伸びしろは大きいといえるでしょう。ですから、ひたすら受験勉強に打ち込んでほしいと思います。合格を勝ち得た後も、ここでの勉強は全く無駄などころかその後の学生生活にプラスになるとこでしょう。
この数か月を大事にしていってほしいことはどちらの立場であってもいえることでしょう。