では理想とするカリキュラムはどのようなものかということになりますね。これもあくまで提案でしかなく、まだまだ研究が必要だという前提で聞いていただけたらと思います。
塾長もよくいうのですが、まずは基礎は今まで通り必要だということです。どこにフランスやイギリスがあるかわからないでは、EUの話はできませんし、江戸時代や明治時代のからの流れを知らなくては、経済の話もできないわけです。ですので、基礎をしっかりするために、今までの内容は踏襲することは必要でしょう。
そこで、6年間を活かして、少しでも先取りすることは重要です。もちろん、とにかく全員が先取りとはいかないかもしれませんが、全員が付いてこれるようなペースで先取りすることです。
私立であれば、土曜日も授業があり、絶対的な学習時間も多いわけですから、そこを活かすことができます。
ただ注意が必要なのは、とにかく先取りといって、生徒に調べてこいというような不親切なことはしてはならないですし、ついてこれないペースでどんどん進めるのもよくありません。そこが、コンダクターとしての先生の存在価値になると思います。こ
こが大きな問題点ですね。功を急ぐあまり、とにかく先取りして一年前倒しで進めて、最終学年で入試対策一本で一年間勉強していく。確かにそれができれば苦労しませんが、はたしてどれだけの生徒が一年前倒しについていけるでしょうか。
ある私立の先生は、その中に何人かついてこれる生徒がいて、その生徒が、東大合格などの結果を出せればいいと考えているようです。要は、9割以上の生徒の犠牲のもと、1割程度の生徒の授業を行っているということになりますね。そのために、そのカリキュラムについていけず、私たちの塾に駆け込んでくる生徒が出てくるわけです。
さて最終学年では先取りのおかげで時間ができるとおもいますので、そこで課題を設けてグループ学習等のカリキュラムをいれていくことができるでしょう。もちろんグループでなくても一人一人に課題を与えることができます。志望校の入試問題をやってくるでもよいかと思います。
そして、それらをやりっぱなしではなくて、必ず先生が管理する必要があります。どこまでできているか、あとどうすればゴールできたかということをアドバイスしてあげることができるでしょう。
このような、教科の内容をただ教えるだけでなく、その内容を学ぶペースや学び方を考えてあげるのが重要ではないかと思います。
2020年の教育改革にむけて、現場の先生たちも右往左往しているところがありますが、いずれにしても本当の学力とはなにかを考えて考慮した結果このような感じになりました。