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【38】 入退室システム

 最近の塾業界では、入退室時間が、ご両親の携帯にメールで届くシステムが標準的に、設置されていることが多いです。もちろんHASHIKENでも設置しています。

 その目的は、生徒の安全管理のためというのが主な目的ですが、当塾で導入したのは、違った目的がありました。

 当初入塾すれば、定期的に授業に参加するのが当然のことだとおもいますが、以前はサボる生徒がいました。

 理由はいろいろあったのでしょうが、結局サボっていても、ご家庭のほうではそれを知らないので、塾に行っているものだと考えていました。

 このようなトラブルを避けるために、入退室時間を管理することになりました。

 ところで、これは塾での話ですが、以前にもお話ししましたが、実家を出て大学に通っている学生も同じような問題が生じているようです。そのために、学校側が、入退室システムを導入してご両親にお伝えしているとのこと。

 ただ、極端な話、そのシステムがあっても、必ず大学の授業に出ているかはまた別問題であることもおわかりでしょう。いくらでも、抜け道はあるものです。

 出席は通しても、その後授業に参加しているかどうかは別問題です。さらには、その出席カード等を通したのは、本人なのでしょうか・・・友人に頼むことも可能なわけです

 疑っていくときりがないのですが、純粋な気持ちで、生徒の勉学精神を信頼したいところです。

【37】 数学総合の先生の役割

 前々回話したとおり、数学総合の授業では、生徒が問題の答えを解答解説してくれます。したがって、先生はただ静観しているだけではないか?といわれるかたがおられるかもしれません。ところが、意外と大変な状況に追い込まれます。

 たとえば、学校の先生であれば、テキストがありそれには模範解答がついてきているわけで、それを解答解説すればいいので、ある程度、楽観視できるところがあります。

 ところが、数学総合の授業は、生徒中心の解答解説になるので、生徒の解答を活かしていかなくてはなりません

 「それは模範解答と違うので、間違いです」

 というのは、ここまで話してきた数学の特性を考えたなら、それはいってはいけません。それをいってしまうと、一生懸命考えてきた生徒の解答を、根底から否定してしまうことになり、やる気がそがれることでしょう。

 ですから、そのアプローチの仕方が正しいかどうか、途中で論理的に破たんしていないかをそこで判断してあげなくてはなりません。

 とはいえ、どんな解答をもってくるかは、その時までわからないわけですから、ある意味生徒から、

 『この方法ではできませんか?』

 と挑戦されているようなものです。それをしっかり受け止めてあげなくてはなりません。

 また、もし途中までしかできていなかったならば、そこからどのようにすれば、答えに到達することができるか、ヒントをだしたり、誘導する必要もあるので、生徒が板書をしているときには、いろいろと考えていかなくてはならないわけです。

 本当にその方法でも解答できるのか、できないならば、どこに問題があったのか、どうしたら良かったのかを、指摘してあげなくてはなりません。その改善点を踏まえて、次回再挑戦してくるように促すことになります。

 そうすることで、生徒の自主性を伸ばしていくことを心がけています。

 ですから、講師側にも緊張感がある授業なのです。

 

【36】 数学総合の目的と成果

 前回は数学総合の授業の方針をお伝えしましたが、その成果にはどのようなものがあるかお伝えしたいと思います。

 今はやりのアクティブラーニングなどでも、ポイントとなっているのがプレゼンテーションではないでしょうか。プレゼンをする際に、やはり板書や資料作成が必要になります。その際に、どのように書いたら相手に伝わるか、相手を意識した板書を書くようになります。

 特に重要なポイントは、数式だけではなくて、きちんと

 接続詞:“つまり・・・” “したがって・・・” “一方・・・”

 といった日本語をつかって解答を作ることが大事です。

 まだ初めての解答解説をする際に、この問題を抱える生徒がでてきます。解答をすべて数式の変形だけで作ってしまい、答えはこれで大丈夫だと思ってしまうわけです

 その際に私が上乗せ解説する際に、

 『この解答には日本語がありません!これが一番問題です』

と伝えます。なぜそうなのでしょうか。もし日本語を使わずに解答すると、

 『そんなことは、いちいち説明しなくてもわかるでしょう!』

 といった意図が採点する側に伝わってしまいます。なんとも不親切な解答なのです。たしかに、相手も数学のプロですから、わかるにはわかるのですが、回答者が何を考えてここに到達しているかを採点したいわけです

 ですからそうならないように、採点する側に親切な解答を書くことが大事です。常に、解答用紙の向こうに採点者がいることを意識してほしい。

 また段落の取り方や①②の使い方などを注意していくと、最終的には模範解答より親切できれいな解答を書くことができるようになります。なんか、国語みたいだと思われるかもしれませんが、数学での記述もそれらは重要な要素です。

 さらに解説も重要なポイントとなります。中には、板書してあるんだから解説しなくても、そのまま読んでくれればいいだろうっていう生徒もいます残念ながらそれも間違いです。

 自分で考えたことや思いついたことを、みんなが同じように思いつくとは限らないからです。そこで、なぜそのように考えたかを、資料をもとに、解説が必要になるわけです。

 したがって、プレゼンのポイントは

 『読み手を考えた親切な資料』

          +

 『資料と聴衆を結びつける解説』

 これによって成り立っているといえるでしょう。その結果、大学の授業で・・・さらには社会にでも役立つものになります。

 ある卒業生が大学に入って最初の年に、担当の教授から

 『 君はなぜそんなにプレゼンが上手なんだ 』

 と聞かれたそうです。彼は卒業生の時期も含めて、

 『 2年間みっちり、数学総合で、プレゼンの練習をさせられてきた 』

 と答えたそうです。たしかに、ほんと細かい事まで説明させるように指導していきました。この成果は、企業に入ってプレゼンをする際にも役立つことでしょう。

 このプレゼンはとても重要な意味を含んでいます。どんな解答解説をするにしても、なぜそうなのか、どうしてそう考えたのかを表現することを重要視していいるからです。そもそも、数学の解答はそういうものの集大成ではないでしょうか。

 つまりは、そう考えることが問題解決手法の一つであることは皆さんご存知ではないでしょうか。その練習をすることが数学総合の根幹となっています。

【35】 数学総合の授業

 以前に数学は自分で手を動かして書いていかないと力が付かないという話をしました。それを踏まえて、私の行っている数学総合の授業スタイルをお伝えいたします。毎年、最初の数学総合の授業で、話をすることをここに残しておきます。

 簡単に言うと、数学総合の授業は、大学のいわゆるゼミ形式で行っています。一つの課題をそれぞれが考えてきて、その一人がプレゼンで解説解答して、その内容について、議論するということを行っています。

 やっぱり、先生が前にでて、解答解説をして、それを生徒がうつしているような授業は絶対にやりたくないと思っていますので、ある意味全生徒参加型の授業となります。

 ただ、この形式で一番課題となるのは、どれだけ生徒が、その課題に対して時間をとって自分なりの考え、解答をつくってきてくれるかということです。ともすると「全くわからなかったので、できませんでした」ということになります。

 そうなると、結局、模範解答を先生が板書して・・・とう形にもどってしまいそうになりますが、そこでもその欲求にまけてはいけないと思っています。

 そこで必ず言う事ですが・・・

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 課題の問題は入試問題を取り入れているので、難しいかもしれません。でも大事なのは、答えがでたかどうかということより、自分で一生懸命考えてきたか、考えてこなかったかということです

 『一生懸命考えてきたんですが、ここまでしかできませんでした』・・・いいじゃないですか、そこまでを私は評価します。そこからどのようにしたら、正解にたどり着くか、誘導していきますから、できたところまで板書して、解説してください。

 もし、なかなか分からないなら、調べてください。持っているテキストの中には似たような問題があることでしょう。それを活用することも構いません。なにより、自分で調べたりして、解決することが大事です。

 その調査の選択肢として、学校の先生や友達に聞くこともあることでしょう。それもOKですが、プレゼンする際は、自分のものとして、しっかり理解してから板書してください。質問されて、こう書いてあったから書きましたではいけません。

 一番やってはいけないこと・・・課題問題に全く手をつけずに、授業にやってきて、ただほかの生徒の解説してくれた模範解答を清書して帰る・・・といった授業の受け方は絶対しないでください。

 もしそのようにするなら、授業に参加する気持ちがないようなので、この授業は受けなくて結構です。その勉強方法が全く数学力向上にならないので、時間とお金の無駄になるからです

 世の中、結果がすべてとなっていますが、数学は過程を重視する学問です。答えがあっていればいいってことではなくて、どのような方法でその問題を解いたかが大事です。

 たとえ、最後まで到達できなかったとしても、そこまで自力で考えたことは無駄にはなりません。そこで使おうと思った公式や定理は、より鮮明なものとして記憶に残ります。そして途中式までで、部分点がもらえるのが数学の特徴なのです。

 やったらやった分だけ必ず評価します。ですから、大変だと思いますが、一生懸命考えてきてください・・・

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 このように話しています。ほんときれいな答えや解答を書くことが数学ではありません。いろいろな方法で、一生懸命考えて、自分の方法で、問題にアプローチすることが大事なのです。

 では先生なんだから、生徒に任せずに先生が教えることが仕事なんじゃないかといわれるかもしれません。でも、自分で問題を解決する練習をしておかなくてはならないのです。

 というのも、大学の授業をうけたことがある方はわかるかと思いますが、教授や助手の方々は、ある意味、本業は研究です。学部の生徒に教えるのは、研究を続けていく際の生活費などを稼がないとならないからなので、ある意味、生徒がわかろうがわかるまいが関係ないことになります。

 私の大学の教授にもいましたが、ずっと黒板と話していて、そこに板書をする際に、ずっと自問自答して書いていっていた先生がいました。まあそれも当然かなって思います。

 そうです。大学は研究機関!知りたかったら自分で調べなくてはなりません。ですから、これまでの勉強スタイルとは全く変わってくるわけです。

 そこで困らないためにも、今自分でしらべ、学ぶスタイルを確立させていきたいとおもっているわけです。

 次回、この結果・成果についてお伝えしたいと思います。

【34】 「家で勉強するので・・・」って本当にできるの?

 自習室は最近はどこの塾でも常備されていることがおおいようです。もちろんHASHIKENでも用意しています。

 HASHIKENでは自習室での勉強を推奨していますが、中には、『家で勉強するので大丈夫です』という生徒がいます。果たして、その自習の質と量はいかがなものでしょうか。

 最近はご存知の通りlineなどの普及により、すぐに携帯で連絡が来る時代です。ほかにもいろいろな誘惑が家ではあるのではないでしょうか・・・その状況でほんとうに、自習ができるのでしょうか・・・

 もちろん、家での自習を完全に否定しているわけではありません。ほんとうに自分に厳しくできる生徒においては、問題なくできるといえるでしょう。

 ところが、たいてい上記の理由で自習室での勉強を拒む生徒は、自習室で勉強したくないといういいわけに過ぎない状況をみてきました。

 自習室で勉強することは、かなりの集中力が必要になります。また、きちんとやっているのか、塾のスタッフのゆるいものですが監視が入ります。したがって、自分が、強制的に勉強させられているという概念があるようです。

 『 自分のペースで勉強したい 』

このような一見正当な理由のようですが、自分に甘い生徒にとっては「好きな時に勉強したい⇒適当な自習」という状況になります。

 そんな状況をまずは矯正していく必要があるので、HASHIKENでは自習室での勉強を推奨しているわけです。その結果、その習慣が付いた生徒は合格への道へを歩んでいることを、合格体験記からもご覧になれると思います。

 自分に厳しくしていくこと・・・これは受験においてとても大事なことです。

【33】 偏差値の算出方法

 先日のニュースで、偏差値が低い生徒が東大へといったキャッチの対象の生徒が、超進学校の出身だったという話がありました。そのため、いろいろと物議をかもしだしているようです。

 その背景には・・・

 『 そんな進学校に偏差値が低い生徒がいるのか・・・』

 と思われる方もおられるのかもしれませんね。

 そもそも、偏差値とは名前の通り偏差・・・偏り度を測るものですね50を平均値として、そこからどのくらい偏っているか・・・ということを表した数値です。

(その途中の作業で、強引に正規化するところはいつもながら、ちょっと腑に落ちない気がするのは私だけかもしれませんが・・・)

 ですから、平均点はもちろん、生徒の得点の散らばり具合、対象の生徒の数などで、異なってくることはご理解いただけるかと思います。

 つまりは、どんなに高いレベルの学校だったとしても、偏差値は50を平均として上下に生徒は存在するわけです。入ったら入った高校で、その中での偏差値のソーティングが始まるわけですから・・・

 そんなわけで、私としては、あのキャッチには問題はないと思います。

 ただあの内容と同じようなことを、私たちも実績として出していることをお伝えしておきたいと思います。

 対象は東大とまではいきませんが、高校入学時点での偏差値が40前後の学校から、東工大などへ生徒を輩出することができています。

 それを可能にするのがSSシステムです。

【32】 定期試験と全国模試・・・受ければそれで終わり?

 今回は定期試験や模擬試験の目的や意味について考えておきたいと思います。そもそもなんのためにそれらは行われるのでしょうか?

 「定期試験」・・・内申点をつけるための数値の指標となるもの

 「模擬試験」・・・全国的に実力がどれだけあるのかを調べるもの

 こんなところでしょうか。つまりは「単なるテスト」でその生徒の学力を図るため以上のものは何もないということになりますかね・・・

 そのような意味合いでとらえている学校の先生も多いようです。そのため、とにかくテスト・テスト・試験・試験といった感じで、毎月のように大きなテストがある学校も多いようです。

 さて、何が言いたいのかと申しますと、やったらやっただけで終わりにしてしまていいのでしょうか?ということです。

 『反省や見直しはさせていますよ・・・』

 まあそれは当然のことですよね。生徒側としても、点数が悪ければ、次は点数を上げたいと思います。ただ、その反省や見直しに先生は関与してあげなくて良いのでしょうか?

 生徒にやっておきなさいといったところで、ここでもまたモチベーションの高い生徒でもない限りは、悪かったテストを見直そうとはおもわないかと思います。自分の弱いところを見極めなくてはならないのですから、できればその点数は見なかったことにして、次頑張ればいいってくらいしか感じていないかもしれません。

 そうした反省・見直しで次のテストで生徒はできるようになっているのでしょうか?

 そもそも、塾の授業もそうですが、入試問題が土台になってカリキュラムやテキストができています。いわば、入試問題から学んでいるようなものです。つまりは、テストの結果がどうであったとしても、その内容をみて、学ぶべきところを精査して次回に活かすようにしなければなりません。

 定期試験にしても、模擬試験にしても、そこでできなかった問題をしっかり復習することで、それが弱点補強といったことにつながるのではないでしょうか?

 そう考えていくと、復習にはしっかり時間をかけて学んでいくことが必要なのですが、ここにきてまた問題が生じてきます。それは、復習がおわらないのに、次のテストがすぐやってくるということです。復習もしたあと、それを定着させるための練習も必要になるところで、どうしたものでしょう。

 テスト前になると、そのテストための勉強をすることでしょう。それが定期試験でも模擬試験でも・・・その時間のほうが優先されて、復習がなされずにまた、テストを受けることになり、結果また同じ間違いを犯すといった負のスパイラルが生じていきます。

 どこかの進学校の先生方の中には、何かテストをしていれば安心といった概念があるかのように、頻繁に大きなテストを行っていますが、テスト内容から学ぶ態勢ができていないのなら、むしろテストはやらないほうが良いくらいではないでしょうか・・・

 そして定期試験の解答解説は、正解のプリントを渡して生徒に任せるのではなくて、先生が助けてあげるべきではないでしょうか?なにより、その問題を作って生徒をテストしているという先生の責任がそこにあるように思います。出題した内容については、先生が全責任をもって、生徒たちに解説をしてあげてほしいと思います。

 学力テスト・・・これも一つの学習のためのステップとして、もう少し大事にしてほしい

【31】 能力開発の仕方に工夫が必要

 先日、幼いころからの能力開発において、丸暗記法の問題点をお伝えしました。確かに問題ではありますが、暗記も使い方しだいということができます。したがって、そこに一工夫をいれることで、より効果的になることでしょう。

 実際に、ページをすぐ暗記してしまう生徒にとってすべてが悪いわけではありません。それをうまく活用できれば、問題ないのですが、そこが難しくなるわけです。

 というのも、暗記してしまうので、考えることなく覚えられてしまいます。そこに覚えたことの意味を見出すことなく過ぎていってしまうわけです。

 そこにきて、小学生の内容とかにおいては、考えるというより、暗記がおおいので、結局のところ、成績が悪くなく成長するので、問題に気づくことなく中学にまですすむことでしょう。

 そこで中学にきて、数学などにぶつかると、『考える』必要がでるために成績が悪くなってきて、いままでできていたのになぜできなくなったのか不思議になるわけです。

 そうならないために、早いうちから一工夫が必要となることでしょう。なにが大切なのかというと、ただ覚えるのではなくて、覚えた事柄に意味づけをきちんと行う必要があるわけです。

 丸暗記ではなく、そこに意味をつけるようにして、ほかの知識との関連付けを必ず考えるようにしましょう

【30】 幼いころの能力開発目的の暗記法の弊害

 能力開発の目的で幼いころから暗記術を学んでこられた方、もしくは学ばせている親御さんもおられることでしょう。その学び方ですが、本当に将来の学力に良い影響がでるか疑問に思われたことはないでしょうか?

 たとえば、周期律表を水素からずっと覚えていったとします。それぞれには何の意味もなくただ暗記するという形です。そうすると周期律表に穴埋めでそこに入る元素は何かと問われる場合は問題ないでしょうが、それぞれの周期の意味や族の意味がわからないと、ただ暗記しただけになってしまいます

 ほかの知識との関連を持たせずに、ただ暗記する方法は、いろいろあるようですが、残念ながらそれが、大学入試などにおいては、問題となる場合が多くなっています。

 そのような生徒にとって、テキストもある意味暗記物になってしまうので、その文章の内容を理解せずにただ暗記することになります。そこに書いてあることはわかるのですが、それが何を意味するのかなどは考えていません。したがって、応用が利かなくなるわけです

 極端な例かもしれませんが、六法全書を丸暗記することはできますが、それをどのように適用したらよいかはわからないということです。ただ、どこには何がかいてあるかはわかるといったことです。

 これが、また幼いころに学んだ勉強法であったりするので、その修正がまた難しくなります。暗記ではなくて、理解して読み込むことが大事なのですが、その思考パターンが、それまでの丸暗記法によって阻まれてしまうことが多いのです。

 それを脱却するには、かなりの努力と時間を必要としていきますが、よりコミュニケーションをとって、学んだ内容を確認していくことが必要でしょう。

 考えないで暗記することよりも、暗記できなくても考えることの方が王道のようにおもうのですが・・・

【29】 SSシステムと『自習』の違い

 何度もアクティブラーニングについてはお伝えしていますが、その本質をどのように育てるかを考えておきたいと思います。

 自分から調査して学ぶスタイルを確立するためには、一斉授業のような受け身の勉強ではどうしてもむずかしいことでしょう。さらに、“なんちゃってアクティブラーニング”のような、それをうたってはいるものの、実質的には何もたいしたことを行っていない場合も論外といえます。

 そこでSSスタイルを私たちは授業展開してます。生徒が自ら学び、調べ、学力アップにつなげていくことが可能です。

 そのときに勘違いしてほしくないところは“自習”とはちがうということです。中には表面だけで判断して、自習だといわれる方がいます。果たしてそうでしょうか?

 では皆さんが行っている、またはイメージしている自習とはどのようなものでしょうか?

 「自分でテキストをべんきょうすること」

 といった答えが返ってくるでしょうか・・・

 では、そのいわゆる“自習”では、何を勉強しますか?またどのようなバランスで勉強しますか?学んだことはきちんと定着していることをどのように確認できますか?

 これらは、すべて自己管理に任されているといえるでしょう。そこにはどんな問題がありますか?

 “自習”を行う際に、求められるのは、自主性とモチベーションを高く保つことが必要です。

 ① 今、そのテキストを勉強していることの目的を、入試までのスパンを考えて、認識しているでしょうか?

 ② また、勉強は好きな教科に偏りがちです。むしろ苦手教科に時間をかけることができますか?

 ③ さらに、学んだことのチェックはどのように行っていますか?テストをしてみたところで、自分に甘い場合は、それは目的をなさないことになりかねません。

 まずはこの点をSSシステムはクリアしていることを認識していただきたいと思います。この3つの基本事項は、講師がトレーナーとなることで、可能となります。

 さらに、SSシステムはそれでおわりません。学んでいること以上の知識や技術を担当の講師が教えていきます。テキストには書いていない事柄や、解法を教えてゆきます。

 つまりは、テキストから学べることは自分でまずは学んでください。(もちろんわからないところは解説します)先生はそれ以上の事柄を教えて、解法のコツをお伝えしますというのが基本コンセプトです。

 自分で学べることは、まず自分で学ぶ。調べる。練習する。それ以上の応用、創造、識別にかんしては、先生とともに考えましょう。といった感じです。

 自習ではなく、毎回なにか新しいことを学べなければ、授業ではないと思われている方は、何か新しい発見などには、気がつくことはないことでしょう。常に、すでにだれかが学んだことをトレースしているだけにすぎない、いわば`東大までの人’になることでしょう。

 アクティブラーニングの本質を実践するために、SSシステムは有効な方法といえるでしょう。