【30】 幼いころの能力開発目的の暗記法の弊害

 能力開発の目的で幼いころから暗記術を学んでこられた方、もしくは学ばせている親御さんもおられることでしょう。その学び方ですが、本当に将来の学力に良い影響がでるか疑問に思われたことはないでしょうか?

 たとえば、周期律表を水素からずっと覚えていったとします。それぞれには何の意味もなくただ暗記するという形です。そうすると周期律表に穴埋めでそこに入る元素は何かと問われる場合は問題ないでしょうが、それぞれの周期の意味や族の意味がわからないと、ただ暗記しただけになってしまいます

 ほかの知識との関連を持たせずに、ただ暗記する方法は、いろいろあるようですが、残念ながらそれが、大学入試などにおいては、問題となる場合が多くなっています。

 そのような生徒にとって、テキストもある意味暗記物になってしまうので、その文章の内容を理解せずにただ暗記することになります。そこに書いてあることはわかるのですが、それが何を意味するのかなどは考えていません。したがって、応用が利かなくなるわけです

 極端な例かもしれませんが、六法全書を丸暗記することはできますが、それをどのように適用したらよいかはわからないということです。ただ、どこには何がかいてあるかはわかるといったことです。

 これが、また幼いころに学んだ勉強法であったりするので、その修正がまた難しくなります。暗記ではなくて、理解して読み込むことが大事なのですが、その思考パターンが、それまでの丸暗記法によって阻まれてしまうことが多いのです。

 それを脱却するには、かなりの努力と時間を必要としていきますが、よりコミュニケーションをとって、学んだ内容を確認していくことが必要でしょう。

 考えないで暗記することよりも、暗記できなくても考えることの方が王道のようにおもうのですが・・・

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