【2】 私立中高一貫校の問題点

 今回は私立中高一貫校の問題の部分についてお伝えしたいと思います。

 一時期、私立中学入試が流行した時期がありました。まだ続いているといるといわれる方もおられるかもしれません。まず、ではなぜ私立中学を目指すのでしょうか?

 学習環境が整っているとか高校受験がないので大学入試を意識した6年カリキュラムなどがあげられることでしょう。特に後者のほうは、「高校受験のために塾に行かせる必要がないので経済的」 「一年前倒しして、先取り勉強するので、最終学年は一年間まるまる入試対策の勉強ができる。」 といったことが宣伝となっています。果たして実情はどうでしょう。

 残念ながら、上記の条件を満たし、実際に良い成績を維持できる生徒はほんの一握りといえるでしょう。某私立中高一貫校では、最終学年では、東大などの2次の入試問題中心に練習したり、テキストもほとんどが問題集で、演習中心の授業となっています。そこでどのような問題が生じてくるでしょうか。

 確かに、その授業についていける生徒は、かなり上位の大学を受験し合格できるでしょう。しかし、それができるのはほんの一握りです。そもそも、通常は6年かける所を5年で終わらせる内容なのですが、それが基礎だけでなく応用問題も含めて先取りしていきますから、基礎力がなかったり、勉強の習慣や勉強法が確立していない生徒にとっては、かなりの苦痛になります。

 かといって、学校側もそのようについてこれない生徒をほおっておくわけにはいかないので、夏休みなどの長期休暇中に補習をするということになります。

とはいえ、カリキュラムもついてこられる生徒がメインになっており、将来の学校の宣伝のためにも、これらの生徒を重視する傾向があり、すべてそこで取り戻せる時間はありません。

 したがって授業についていけない生徒は結局塾やほかの方法でさらに補習を自分でしていかなくてはならないわけです。ここで、先ほどの宣伝文句は完全に崩壊するわけです。

 もちろんすべての生徒がそうだとはいいません。そのカリキュラムについていける生徒もいるので、その生徒にとっては素晴らしいカリキュラムになることでしょう。

 ただ、先取りして勉強できるので安心とか、高校受験がないので安心だという理由だけで中高一貫校を選ぶと大きな落とし穴になりかねないことをお忘れなく。

 そこで、私たちの塾では、生徒中心の生徒のためのカリキュラムを個別に作成します。その結果、先取りできる生徒は先取りになりますし、そうでなくても、学校の授業をしっかり理解して先へ進めることができます。生徒中心なので、生徒を置いていくような授業ではありません。

 次回は、そのついていける生徒についても弊害があります。それをお伝えしたいと思います。

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