よく私立などを受験する生徒がいう言葉に
『マークシートなのでそこまで勉強しなくても大丈夫だと思います。』
という生徒がいます。いやはやなんとも・・・
そもそもマークシートで解答を求める目的は、採点を効率よく短時間に行うために取り入れられています。いかにも効率重視の世の中が考えた採点方法です。それによって、数学などの本質的な実力を図ることは、犠牲にされてしまったわけです。
マークシートだと、答えを選択するので楽だと考えがちです。答えは必ず選択肢の中にある・・・確かに、その答えは半分は正解だといえます。それこそ国語や英語、社会であれば、そういえるかもしれません。ただし数学はそうはいかないわけです。
それでも数学も、答えが穴埋めだたったり、分数だったりすることがヒントになるとかいわれるでしょうか?たしかに、ある程度はヒントになりますが、それって本当の数学なのでしょうか?
たとえば、三角関数の問題で、解答の形のなかでルートの中に入る数字を求める場合、たいていは「2」か「3」だとか、答えの空欄の並びから答えを絞り込んだりすることを教えるテキストがあります。
そんな解答を教えるテキストからは、絶対に学んではいけません。それは明らかに、数学ではなくなっているからです。
さらにマークシートの恐ろしさを一つ上げると、計算が最後の最後までできていないと正解できないということです。
先ほど考えた安易に数学を考えている生徒は、数学を苦手としているので、計算力が伴っていません。したがって、計算ミスを連発します。99%あっていたとしても、最後の「移行」や「約分」などでミスをすると、「全くできていない」と判断されてしまうのです。
たとえば、計算してきて答えが「2の3乗」ということがわかっても、ここで2の3乗は、「8」なのに、誤って2×3と考えて「6」にマークしたりします。どんなにできているとはいっても、マークシートは情け容赦なく「できていない」と判断します。完全完ぺきな解答でないと得点できません。
つまりマークシートは、結果でしか判断しないのです。過程を大事にする数学において、マークシートはかなり厄介な解答方法なのです。ほんと恐ろしく感じるのですが、それでも『マークシートだから簡単だ』とまだ思われますか?
「それでもセンター試験で採用されているじゃないか。あれはどうしてなのか」
たしかにセンター試験の数学はマークシートですね。それについては次回お伝えしたいと思います。