【21】 テキストよりプリント?

 最近の高校の理科の授業ですが、どの科目をとってみても、ほとんどはプリントで行っていて、テキストを使うことは少ないようですプリントとテキスト・・・果たしてどちらが学びやすいと思いますか?

 2つの違いはどこにあるのでしょう。

 一つは、きちんと冊子になっているものと、自分でファイルをしていく必要があること。これは学ぶ側にも大きな違いを産みます。まずは、ファイルしていく過程で、管理のできていない生徒は、ファイルをぐちゃぐちゃにして鞄の奥底にためたり、いくつかをなくしてしまったりすることでしょう。

 それは、クリアされているとして、そのプリントを使って入試問題や実力試験を解くにあたっては、果たしてそこにきちんと内容が載っているでしょうか?なんといっても全体像がつかみにくいのが、プリントの大きな問題点です。どこを勉強していて、それまで勉強していることとのつながりがあるのかないのか・・・

 さらに問題なのは、ほんとうにそのプリントが、役に立つ内容のものなのかというところがあります。ある高校の先生は、自分の興味のある部分に特化して、プリントを作り、定期試験もその部分から出すとか・・・なんとも斬新というか、自由というかといったところです。

 つまりは、プリントには限界があり、散逸することが多いということです。プリントはあくまで補強資料であって、テキストをメインに使うべきではないかと思います。そうすることが生徒にとっても安心できるし、わかりやすいものとなります。

 ではなぜ、プリントが多いのか?

 カリキュラムの時間が短くて全体を把握できないから、メインのところだけ教えたいとということもあるでしょう。たしかにそういう面もありますが、一番の理由は、そのほうが講師側にとっては楽だからです

 教える内容を自分で決める・・・わからないとこや自信のないところ、新しく加わったことなどは、避ける。そうすることで、教える内容は毎年同じものを同じように教えればいい。そこに出てくる問題や質問も毎年の授業がデータベースになっていくので、そのプリントに対する理解度が深まる。その結果、最終的には、そのプリントをあつめて冊子本にする方もおられるようです。そういう点で、かなり保守的といえるでしょう。

 確かにそうですよね。講師側はほかにやることがあって忙しいのだから新しいことを学んでいる余裕がないということでしょう。ただ、生徒のことを考えるならば、もうちょっと講師側にも努力が必要かと思いますが・・・

 では教務としては、それを指摘して改善できないのか?と思われるでしょう。

 これまた難しいところのようです。たいていそこまでプリント体系ができている場合は、かなり教えるのに年数がたっていることでしょう。つまりはすでに大御所的存在になっているところもあり、なかなか頑固であったり、周りから問題点を指摘しにくい状況にあるようです。・・・そのための教務だと思うんですけどね~。

 それでは、高校生のお子さんを持つ親御さんであれば、可能であれば学校での理科のテキストやプリントを確認してみてください。もし、テキストがとてもきれいで、プリントがやたらと多い場合、このケースにあてはまるものかもしれません。

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