【17】 公立高校に危機感はあるのか?

アクティブラーニングというキーワードが定着しつつある中で、その浸透度はどのくらいのものだとおもわれるでしょうか?これが公立高校と私立高校で、その認識度に遥かな隔たりがあります。もちろん、すべての公立高校や私立高校がそうだとはいえませんが、組織上の問題によって、その実践度は大きく変わってきています。

 私立高校は、ある程度カリキュラムも自由に変えられるので、2020年の大学入試の変更に対応すべく、どんどん変革を行っています。特に英語の‘読む’‘書く’だけでなく‘聴く’‘話す’の分野を伸ばす方向で動いています。そのために留学制度を用いたり、取り入れられるかもしれない検定制度についても研究を重ねています。

 その一方で公立高校はどうでしょうか。そこは旧体制から脱却できない組織の「しがらみ」がずっと残っていることや、運用費用などの経費面を考えても、新しいことを学校の中から行おうといういう試みは難しい状況です。したがって、「実際に始まってみないとわからない」とか「そんなにすぐにはかえられないのだから、焦っていろいろ変える必要はない」といった状況になります。

 かといって上から変化を求めたとしても、なかなかの大所帯、柔軟に細かいところまで指示をしていくことは難しいことでしょう。

 したがってどういうことになるでしょうか・・・

 極端な話をしてしまうと、アクティブラーニングに向けてかなり急進的な私立高校と、全く変化させず現状通りのカリキュラムを淡々と行っていく公立高校という構図が見えてきます。

 2020年が来たときに、オリンピックで日本中が浮かれている最中で、大きな格差が生まれるということになります。公立高校は今後かなり大きな変化が求められながらも、何もできない状況で歯がゆい思いをしている方々もいれば、何も変える必要などないと考えている方々が混在している中では、遅々として進まない教育改革のために、公立高校の失墜は間のがれないのではないでしょうか?もちろん、すべての公立高校ではありませんが、今後はどんなところでも変革が求められるということに変わりはないでしょう。

 教科書も黒板もタブレットの中で授業を行う状況で、授業料無償というだけで旧体制のままの公立高校は生き延びることができるのでしょうか・・・

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