【35】 数学総合の授業

 以前に数学は自分で手を動かして書いていかないと力が付かないという話をしました。それを踏まえて、私の行っている数学総合の授業スタイルをお伝えいたします。毎年、最初の数学総合の授業で、話をすることをここに残しておきます。

 簡単に言うと、数学総合の授業は、大学のいわゆるゼミ形式で行っています。一つの課題をそれぞれが考えてきて、その一人がプレゼンで解説解答して、その内容について、議論するということを行っています。

 やっぱり、先生が前にでて、解答解説をして、それを生徒がうつしているような授業は絶対にやりたくないと思っていますので、ある意味全生徒参加型の授業となります。

 ただ、この形式で一番課題となるのは、どれだけ生徒が、その課題に対して時間をとって自分なりの考え、解答をつくってきてくれるかということです。ともすると「全くわからなかったので、できませんでした」ということになります。

 そうなると、結局、模範解答を先生が板書して・・・とう形にもどってしまいそうになりますが、そこでもその欲求にまけてはいけないと思っています。

 そこで必ず言う事ですが・・・

*************************

 課題の問題は入試問題を取り入れているので、難しいかもしれません。でも大事なのは、答えがでたかどうかということより、自分で一生懸命考えてきたか、考えてこなかったかということです

 『一生懸命考えてきたんですが、ここまでしかできませんでした』・・・いいじゃないですか、そこまでを私は評価します。そこからどのようにしたら、正解にたどり着くか、誘導していきますから、できたところまで板書して、解説してください。

 もし、なかなか分からないなら、調べてください。持っているテキストの中には似たような問題があることでしょう。それを活用することも構いません。なにより、自分で調べたりして、解決することが大事です。

 その調査の選択肢として、学校の先生や友達に聞くこともあることでしょう。それもOKですが、プレゼンする際は、自分のものとして、しっかり理解してから板書してください。質問されて、こう書いてあったから書きましたではいけません。

 一番やってはいけないこと・・・課題問題に全く手をつけずに、授業にやってきて、ただほかの生徒の解説してくれた模範解答を清書して帰る・・・といった授業の受け方は絶対しないでください。

 もしそのようにするなら、授業に参加する気持ちがないようなので、この授業は受けなくて結構です。その勉強方法が全く数学力向上にならないので、時間とお金の無駄になるからです

 世の中、結果がすべてとなっていますが、数学は過程を重視する学問です。答えがあっていればいいってことではなくて、どのような方法でその問題を解いたかが大事です。

 たとえ、最後まで到達できなかったとしても、そこまで自力で考えたことは無駄にはなりません。そこで使おうと思った公式や定理は、より鮮明なものとして記憶に残ります。そして途中式までで、部分点がもらえるのが数学の特徴なのです。

 やったらやった分だけ必ず評価します。ですから、大変だと思いますが、一生懸命考えてきてください・・・

*************************

 このように話しています。ほんときれいな答えや解答を書くことが数学ではありません。いろいろな方法で、一生懸命考えて、自分の方法で、問題にアプローチすることが大事なのです。

 では先生なんだから、生徒に任せずに先生が教えることが仕事なんじゃないかといわれるかもしれません。でも、自分で問題を解決する練習をしておかなくてはならないのです。

 というのも、大学の授業をうけたことがある方はわかるかと思いますが、教授や助手の方々は、ある意味、本業は研究です。学部の生徒に教えるのは、研究を続けていく際の生活費などを稼がないとならないからなので、ある意味、生徒がわかろうがわかるまいが関係ないことになります。

 私の大学の教授にもいましたが、ずっと黒板と話していて、そこに板書をする際に、ずっと自問自答して書いていっていた先生がいました。まあそれも当然かなって思います。

 そうです。大学は研究機関!知りたかったら自分で調べなくてはなりません。ですから、これまでの勉強スタイルとは全く変わってくるわけです。

 そこで困らないためにも、今自分でしらべ、学ぶスタイルを確立させていきたいとおもっているわけです。

 次回、この結果・成果についてお伝えしたいと思います。