【14】 アクティブラーニングの目的

今回はよりアクティブラーニングに焦点を合わせて考えてみましょう。

 アクティブラーニングの目指すものは、『生徒が自分で問題を発見し、それを自らの力で対処する』・・・いわば生きる力ともいえるかもしれません。

 数年前まで言われていた『ゆとり教育』もその動機においてはおなじものだったのではないでしょうか。生きる力を要請すること』・・・残念ながら、その実施方法が難しかったといえるでしょう。何をしたらそれができるのか、わからないまま、とにかく『ゆとり』ということで、週休2日にしたりしていたのでしょう。

 その結果は、カリキュラムがしっかりできていないため、時間が足りなくなり、結局、夏休みや冬休みの期間の短縮をせざるをえなくなりました。また、もともと土曜に授業をやっていた私立も、それに輪をかけて授業日数を増やすようになって、公立と私立の格差が広がりつつある状況です。

 上記の目的は、どうして必要なのでしょうか。残念ながら先生が享受するスタイルでは、この意識は育ちません。そのためどんな問題が生じてきたでしょうか。

 大学院の1年次や就職した1年目の成人が大きな問題を抱えます。彼らは最初に口をそろえていう言葉があります。それは

  『何をやったらいいのでしょうか』

 何をやったらって、何かやりたいことがあってここにきたのではと反論したくなるかもしれませんが、残念ながらそれはなかなか少ないといえます。というのも、それまでの勉強のスタイルが、受け身だったので、先生が出した問題などを解いていくことを主体に勉強してきていたからです。そのため、自分で何が研究したいのかとか、自分でどんな仕事がしたいのかといったところで、躓いてしまうわけです。

 東大の卒業生の中にもそのような生徒がいるようです。確かにそこまでは正解がある問題を解く練習をしてきましたが、ここからは、答えがわからない、もしくはほとんどの場合は正解のない問題に取り組んでいかなくてはならないわけです。その状況に対応できないといったことが生じてきています。これらが、旧体制の授業スタイルの問題点といえるでしょう。

 それを改善して積極的に、自分のほうから学ぶ・研究するスタイルを確立していく必要があります。そのためには、現状の問題点を見極め、その解決方法を模索するといったことができないとなりません。

 それを実現したのが、SSシステムです。

 次回は、SSシステムの内容をお伝えしていきましょう。